馬刺しの安全性について

なぜ、馬刺しの安全性は高いのか?

馬刺しの安全性は、馬ならではの特性が関係しています。

「馬は体温が高いから安全」という情報は恐らく間違いだと思います。

鶏 42.0度
豚 39.0度
やぎ 39.0度
ひつじ 39.0度
うさぎ 39.5度
牛 38.5度
犬 38.5度
猫 38.5度
馬 37.5度
ヒト 36.0度
※出典:wikipedia

少なくとも馬が他の動物と比べて体温が高いという確かな情報は見当たりません。

もし仮に他の動物と比べて馬の体温が若干高いとしても、それは菌にとっても最適な環境となり説得力がありません。

では、なぜ馬刺しの安全性は高いのか、これまでにわかっていることに基づいてまとめてみます。



【馬ならではの特性】

馬の特徴として最初にあげられるのは「奇蹄類(きているい)」であるということです。

奇蹄類とは、蹄(ひづめ)をもつ草食または葉食性の哺乳類の1グループで,後足の指の数が1または3と奇数であることから奇蹄類(奇蹄目)Perissodactylaと呼ばれています。

奇蹄類に属するのは、ウマ科の他にサイ科、バク科があり現存する奇蹄類はこの3科のみです。

 

これに対し、牛・豚・鹿・猪・キリンは蹄(ひづめ)が偶数です。

こちらは「偶蹄類(ぐうているい)」と呼ばれています。

口蹄疫というウイルス性の病気などは偶蹄類の家畜で発生しており、馬は奇蹄類であることからそのリスクが低いとされています。


さらに馬は「反芻(はんすう)動物ではない」ため、腸管出血性大腸菌(O157等)のリスクが低いといわれています。

反芻動物とは4つの胃袋を持つ草食動物のことです。反芻はくり返すという意味で、一度飲み込んだ食べ物を再び口の中に戻して、再咀嚼(さいそしゃく)します

反芻動物の代表は牛・羊・ヤギです。

1.第一の胃(反芻)・・・胃から口へ食べ物を吐き出す。
2.第二の胃(再咀嚼)・・・ 口の中の食物を噛んですりつぶすこと
3.第三の胃(再唾液分泌)・・・唾液を分泌し、食べ物に混ぜる。
4.第四の胃(再嚥下(Re-swallow)) ・・・ 食べ物を胃に戻すこと

反芻動物は複数の胃で消化活動を繰り返すことから腸管出血性大腸菌(O-157)を保菌しているリスクが高いのに対し、馬には胃が1つしかなく、腸管出血性大腸菌のリスクが低いと考えられています。

※厚生労働省の資料によれば、平成11年度~平成22年度に実施された市販肉食等の調査でも、馬刺し(検体数692)から腸管出血性大腸菌の検出はありませんでした。

食肉による細菌性食中毒の原因となるカンピバクターについても、馬肉はリスクが低いといえます。厚生労働省の市販食肉等の調査によれば、馬刺しからカンピロバクターは検出されていません。同省によれば、海外の文献においても「腸管出血性大腸菌やカンピロバクターの汚染はまれである」という報告があります。

このように馬ならではの特性が、唯一生でたべることができる馬肉の安全性を担保しており、国から生で食べても良いとの”お墨付き”が出ているのです。

 

とはいえ、馬刺しによる食中毒リスクはゼロではありません。

寄生虫(ザルコシスティス・フェアリー)による食中毒の可能性は示唆されていますので、その点については知っておく必要があります。

(この寄生虫は人には寄生しません)

ザルコシスティス・フェアリーは所定の冷凍処理を行うことによって食中毒リスクを排除できることがわかっていますので、国内に流通する生食用の馬刺しはすべて冷凍するよう厚生労働省によるガイドラインが設けられています。

さらに、熊本県馬刺し安全安心推進協議会では「熊本から食中毒を出さない」をスローガンに熊本の重要な食文化である「馬刺し」文化を守るため、厚生労働省が規定するガイドラインよりも厳しい冷凍基準を設けています。

馬肉の安全性は馬ならではの特性と関連団体などによってこれまで守られてきたといえます。

熊本では生食用の馬肉を提供するにあたり、PDCA(Plan Do Caeck)サイクルを回しながら設備や作業マニュアルを適宜見直し、より高いレベルの安全性を追求しています。

 


ちなみに当店スタッフは、HACCPやISO22000など食の安全に関する知識を持つメンバーです。

現在、製造は餅は餅屋でその道の熟練者にお任せしておりますが、製造部門と販売部門でそれぞれが異なる方法でダブルチェックを行っております。

製造部門では、定期的な検査や協会による研修・指導などが行われています。

販売部門は製造現場を毎日訪問し、時にはお客様が馬刺しを食べる時と同じ条件で自社品他社品を問わず試食会を行い「安全性」「品質」「おいしさ」の確認を行っています。

時々食品の不祥事を耳にしますが、食に携わる者の知識や経験もさることながら、「それを口にしたお客様がどう思うか」「どう感じるのか」「幸せになれるのか」ということを重視しているのか、ただ売れさえすれば良いと考えているのか、事業者とそれに携わる者の考えが食品に現れるのかも知れません。

私たちは元々食べることが好きで馬刺しも大好きです。食べている時が一番幸せ、おいしいものを食べるために働いていると思うことさえあります。

馬刺しは安いものではありません。

だからこそ、食べることが好きな人のため、馬刺しが好きな人のために、これからも「安心して食べることができるおいしい馬刺し」を追求して行こうと思います。 

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

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